どうも、BMOです。
スーパーSEになろう、ということで第三回目です。
すごいですね、三週間で、自分の周りの些細な変化を見逃さず、
その変化を周りの人にうまく伝え、理解してもらうことができる
SEへと変貌を遂げられているのですから (^_^)
決して、冗談ではなく、その必要性を感じ、日頃から意識を高め、
勇気を持って実践していっている限り、少しずつ、でも確実に、
ステップアップしているはずですので。
さて、今回は、情報を見える化し何かアクションを取ろうとした時に
利害関係を有する関係者がいる場合、どのようにして合意を形成して
いったらよいかというところでお話をしたいと思います。
(一応お断りですが、私の経験に基づくスキルアップのヒントですので
あまり学術的な観点からはお話できないと思います。どちらかというと、
浪花節的なテイストも多分に含まれるかも・・・)
では、SEの備えるべき、合意形成能力のポイントを順に挙げていって
みたいと思います。
(1) ディベート的な進め方はしない
~ 極端な例を除いて、10:0の決着はない。 ~
当事者それぞれが自分の立場を正当化するためだけの理論武装をして
譲歩を許さない、という立場で会議に臨んだ場合は、結論はでるかも
しれませんが、合意は形成することは難しいはずです。
特定条件下の理屈だけで押し通された結論では、参加者は合意の
当事者という認識をなかなか持てません。
百歩譲って、自分の立場を相手にわかってもらうための理論武装
(武装という言葉自体物騒ですが)はよしとしますが、合意を得る
ための譲歩の準備は必ず行うようにしておきましょう。
(2) 相手の立場を可能な限り理解する
~ 時には相手の立場に立って解決策を検討してみる。 ~
合意を得るための譲歩のラインや、合意を形成するための支援・協力の
検討には、自分の立場だけではなく、相手側の立場もよく理解することが
大切だと思います。
また、その理解を高めるためにも、打ち合わせ中に相手に対して
自分達はこのように理解しているのだけれども、その理解で認識に
相違が無いか直接確認してみるというのも有効的で、かつ友好的な
雰囲気も醸し出せます。
支援や協力の提案も、相手にとってプラスになるものでないと
単なるお仕着せになってしまいますので。
(3) 情報は可能な限り公開する
~ 同じ土俵で解決策、妥協点を議論する。 ~
交渉の常套手段として、有利なカードは積極的に切り、不利な
カードは伏せておくというのがあると思います。
ただ、それが極端になると、本筋の議論ができない空中戦が延々と
続くことになり、本当に解決すべき問題が浮き彫りにされないまま
時間だけが無駄に過ぎてしまうことが多々有ります。
合意形成を行うためには、それぞれが可能な限り情報を公開し
各々の立場を明確にした上で、同じ土俵で妥協点を議論する
必要があると思います。
(4) 自分のスキル・能力・知力・権力でカバーできるところは
出し惜しみしない
~ ノブレス・オブリージュ的な発想が硬直した状況を打破する(かも) ~
これは、何もかも自分が全部引き受けちゃうことで、その場を収めま
しょう、という意味では決してありません。
たまに、そういう人を見かけますが、残念ながらそれでうまくいく
ことは稀だと思われます。
ここでお伝えしたいのはそういうことではなく、自分の能力の範囲で
できることであれば、例えそれが自分の責任範囲外であっても、協力の
申し出をすることや、アイデアを出すことで、解決の糸口を見出すことが
できる可能性があるということです。
またそれが、スーパーSEの責任であると(私は、強く)思います。
以上ですが、最後に少しだけ現実的に引き戻すような話を。
私の知りうる範囲では、SEの現場でのステークホルダとの交渉において、
真の合意形成を目指して打合せに臨むということはまだまだ少ないように
思います。
具体的には、既に根回し済みの落としどころの承認会議であったり、
ディベート的に一方的な立場の理屈で抑えられたり、最も悲しいのは
単に声の大きい(影響力の強い)人の意見で押し通されたり、と
会議終了後に参加者のほとんどが無気力に『あーあ』的な空気を持って
会議室から出てくるような会議が結構あるのではないかと思います。
また、会議というものはそういうものだと思っている人も多いのかも
しれません。
でも、最初の話ではないですが、少しでも意識を持って実行することで
少なくとも、その人『個人』のスキルは上がります。
そして、10回のうち1回でも、しっかりとした合意形成ができた会議を
経験することで、周りの状況も徐々に変わっていくと思います。
そうして、会議終了後、それぞれの人が、席を立ちつつ、自分がその後
すぐ取り掛かるべき自分の役割をイメージしながら、『よっしゃ』と
言って、会議室を出て行くような会議がひとつでも増える事を祈って
止みません。